■はじめに 本記事では、「Co-term(同時終了)」オーガナイゼーションでのライセンス追加・更新の仕様やよくある失敗例を具体例とともに紹介します。 この形式でライセンスを追加・更新する際の参考にしていただければ幸いです。 また、以下にCo-termライセンスの概説もありますので、併せてご一読ください。 共同終了(co-term)ライセンスの管理者向けかんたんガイド - The Meraki Community https://community.meraki.com/t5/-/-/ba-p/203918 ■「デバイスライセンスの追加」と「有効期限を更新」の仕様について ダッシュボードへのライセンス登録は、「オーガナイゼーション > ライセンス情報 > ライセンス追加」から実施できます。 ライセンスキーを入力し「送信」を押した後、「デバイスライセンスの追加」か「有効期限を更新」を選択する必要がありますので、それぞれの適用方法を具体例とともにご説明いたします。 具体例では、以下のMX75 * 1台、MR * 10台分のライセンスが既に登録されているオーガナイゼーションを使用いたします。 ・「デバイスライセンスの追加」で適用した場合 この方法を選択すると、「現在の状態に、適用したライセンス数を加算する」動作になります。 例えば、具体例のオーガナイゼーションに「MR * 5台分のライセンスを含むライセンスキー」を適用した場合、適用後のオーガナイゼーションは以下の状態になります。 画像の左側は適用前(現在の状態)、右側は適用後のオーガナイゼーションのライセンス状態を示しています。 「MR * 5台分のライセンスを含むライセンスキー」を「デバイスライセンスの追加」で適用することで、元々はMRのライセンス数が10台分でしたが、5台分加算されて15台分になっています。 ただ適用されたライセンス数を加算するだけですので、MX75 * 1台分はそのまま残っています。 この適用方法は、例えば「新しくMRを5台追加で導入するため、ライセンス数を5台分増やしたい」という場合にご利用いただけます。 ・「有効期限を更新」で適用した場合 この方法を選択すると、「現在のライセンス数の状態をリセットし、適用されたライセンスキーに含まれるライセンス数に変更する」動作になります。 具体例のオーガナイゼーションに「MR * 5台分のライセンスを含むライセンスキー」を適用した場合、適用後のオーガナイゼーションは以下の状態になります。 画像の見方は先ほどと同じです。 「MR * 5台分のライセンスを含むライセンスキー」を「有効期限を更新」で適用すると、元々はライセンス数がMX75 * 1台とMR * 10台分だったものがリセットされ、MR * 5台分のみになります。 これによりMX75のライセンスは無くなりますので、このオーガナイゼーションではMX75は使用できません。 この適用方法は、上記の例のように「元々はMX75 * 1台とMR * 10台を使用していたが、今後はMR * 5台のみを使用する」という場合にご利用いただけます。 また、より一般的な使用例として、例えば「現在のライセンス期限が迫っているため、使用台数に変更なくライセンス期限を更新したい」という場合にもご利用いただけます。 例えば、具体例のオーガナイゼーションでライセンス期限が迫っている際には、現在のライセンス数と同じ数の「MX75 * 1台分とMR * 10台分のライセンスを含むライセンスキー」を適用します。 この方法で適用した場合、ライセンス数は変わらずに期限だけが延びることが以下の画像から確認できます。 ■よくある失敗例 1.現在の使用台数のままライセンス期限を更新する際に、「デバイスライセンスの追加」で適用してしまった 具体例のオーガナイゼーションでライセンス期限を更新するために「MX75 * 1台分とMR * 10台分のライセンスを含むライセンスキー」を購入したとします。 本来「有効期限を更新」を選ぶべきですが、誤って「デバイスライセンスの追加」で適用されることがあります。 この場合、ライセンス数が加算され、以下の画像のような状態になります。 Co-term形態のオーガナイゼーションでは、「ライセンス数でライセンス期間の総量が按分される」仕様のため、実際は「MX75 * 1台とMR * 10台」しか使用していないにもかかわらず、ライセンス期間が「MX75 * 2台分とMR * 20台分」で按分され、ライセンス期間を損することになりますのでご注意ください。 2.新たに導入したデバイス分のライセンスを追加する際に、「有効期限を更新」で適用してしまった 具体例のオーガナイゼーションでMR * 5台を追加導入するために「MR * 5台分のライセンスを含むライセンスキー」を購入した場合を想定します。 本来は「デバイスライセンスの追加」を選ぶべきですが、誤って「有効期限の更新」で適用されることがあります。 この場合、現在のライセンス数がリセットされ、ライセンスキーに含まれるライセンス数に変更されるため、以下の画像のような状態になります。 この状態ですと、実際に使用しているデバイス数「MX75 * 1台とMR * 10台」に対してライセンス数が「MR * 5台分」しかないため、オーガナイゼーションがライセンス準拠違反状態になりますのでご注意ください。 3.オーガナイゼーションの一部のライセンスのみを更新しようとしてしまった Co-term形態のオーガナイゼーションは、「オーガナイゼーション全体でただ1つのライセンス期限を持つ」仕様です。 すべてのライセンスキーが適用方法に応じて計算され、その結果1つの有効期限が設定されます。 このため、一部のライセンスのみの期限を延ばすということが仕様上出来ません。 例えば、具体例のオーガナイゼーションでMX75のライセンス期限だけを延ばそうとして、「MX75 * 1台分のライセンスを含むライセンスキー」を購入した場合を想定します。 以下の画像では、そのライセンスキーを適用しようとした結果が示されていますが、「デバイスライセンスの追加」と「有効期限を更新」のどちらの方法でも期限を適切に延ばせていないことが分かります。 ・「デバイスライセンスの追加」 ->「MX75 * 1台分」のライセンス数が加算されるため、MX75のライセンス数が実際に使用している数より多くなり、ライセンス期間を損します。 ・「有効期限を更新」 ->ライセンス数が「MX75 * 1台分」のみになるため、オーガナイゼーションがライセンス準拠違反状態になります。 つまり、例えば1つのCo-term形態のオーガナイゼーションで複数の別会計の会社を管理し、会社Aの分は8月にライセンス更新、会社Bの分は3月にライセンス更新・・・といった更新の仕方は仕様上出来ず、オーガナイゼーション全体で一度にライセンス更新を行う必要がございますのでご注意ください。 このような場合には会社ごとに管理するオーガナイゼーションを分けるか、あるいはネットワーク単位でライセンス管理が可能なサブスクリプションライセンスのご利用をご検討ください。 ■参考情報 Meraki Co-Termination Licensing Overview - Cisco Meraki Documentation https://documentation.meraki.com/General_Administration/Licensing/Meraki_Co-Termination_Licensing_Overview The Science behind Licensing Co-Termination - Cisco Meraki Documentation https://documentation.meraki.com/General_Administration/Licensing/Meraki_Co-Termination_Licensing_Overview/The_Science_behind_Licensing_Co-Termination Meraki サブスクリプションライセンスの概要 - Cisco Meraki Documentation https://documentation.meraki.com/General_Administration/Licensing/Meraki_Subscription_Licensing_Overview_jp
... View more