端末がインターネット接続ができない場合のトラブルシュートの方法

TatsuyaN
Meraki Employee

 

この記事では、端末がインターネット接続ができない場合のトラブルシュートの方法について記載しています。

 

問診とトラブルシューティングステップ

まずは、以下の問診に従って、発生の契機と影響範囲の特定を行います。

 

  • 事象発生日時を確認。
  • 継続して発生しているか。
  • 継続していない場合、頻度の確認。
  • 発生日時頃、周辺機器の設定変更の有無。
  • 発生する端末は特定か、拠点全体か。
  • 無線、有線どちらでも発生しているか。
  • 宛先は特定のものか、すべての宛先か。
  • 特定のアプリケーション通信のみ不可なのか、すべての通信が不可なのか。
  • 対象にICMP は到達可能か。

 

設定変更があった場合、もとに戻した時に改善するかを確認する。

特定の端末や通信の場合、端末単位のグループポリシーの適用や経路上にファイアウォールの制限はないか確認する。

 

上記問診にて影響範囲が特定できない場合、実際のパケットをパケットキャプチャを行い確認します。

影響範囲が明確ではない場合、より端末に近いところからトラブルシュートを行います。

 

無線端末での事象でMeraki フルスタック構成の場合の例を示します。

 

TatsuyaN_5-1745740585929.png

 

  1. ローカルステータスページに接続して、接続しているMR を特定します。 
  2. 事象発生端末にてパケットキャプチャを開始し、端末上から無線IF にパケットが送信されているか。
  3. ダッシュボードパケットキャプチャツールを活用し、同時にMR のWired(有線)でパケットキャプチャを取得して対象のクライアント、宛先の通信が確認できることを確認します。
    宛先はFQDN で、IP アドレスが不明な場合、取得したパケットキャプチャのファイルを開きDNS パケットに含まれるドメイン名または、Client hello のパケットに含まれるサーバー名をフィルタして見つける。
  4. MR からアップストリームへ対象のパケットが送信されていることを確認できた場合、MX のファイアウォールロギングツールを用いてMX にてブロックされていないか確認する。※ツールは、18.2以降で利用可能。
  5. ファイアウォールロギングでブロックされていることが確認できない場合、MX のLAN とInternet で同時にパケットキャプチャを取得して、宛先への通信が含まれていることを確認します。
  6. MX のLAN で対象パケットが見られない場合は、MS のACL モニタリングツールを利用してブロックされていないか確認する。※ツールは、MS16以降で利用可能。

 

Wireshark DNS filter

dns.qry.name contains "FQDN"
dns contains "FQDN"

TatsuyaN_0-1745744507007.png

 

Wireshark TLS filter

tls.handshake.extensions_server_name contains "FQDN"

TatsuyaN_1-1745744556153.png



デモンストレーション

https://www.deepl.com/” 宛の通信をブロックした時の確認方法についてデモンストレーションします。

まず、テストのためMX にてdeepl 宛の通信をブロックとして設定します。

TatsuyaN_10-1745743041929.png

 

 

クライアント端末から通信を発生させ、「セキュリティ&SD-WAN」>「監視」>アプライアンスステータス>ファイアウォールログ でブロックされていることを確認します。

本ツールのフィルタリング方法は、ドキュメントを参照する。

 

TatsuyaN_9-1745742995126.png

 

 

念のため、通信を発生させた時に、MX のLAN とInternet でパケットキャプチャを同時に取得し、TLS パケットを確認するとInternet ではそのパケットが見られず、期待通りに動作していることを確認します。

 

tls.handshake.extensions_server_name contains "deepl"

TatsuyaN_8-1745742900534.png

 

 

次に、対象のファイアウォールルールを削除し、アップストリームのRT で対象通信をフィルタリングし、通信を発生させ動作を確認します。

ファイアウォールロギングでは、許可されていること、Internet のパケットキャプチャでMX からアップストリームへパケットが転送されていることが確認できます。

 

TatsuyaN_12-1745743817187.png

TatsuyaN_11-1745743784168.png

 

この場合、MX よりアップストリームの問題の可能性が高いと考えられます。