本記事では、1つのAPに複数のクライアントが集中してしまう際に考えられる原因と
有効な対処方法について紹介させていただきますので、参考にして頂ければと思います。
■端末が接続するAPを判定する基準
端末は機種によって少し差異はありますが、一般的には該当端末にて
受信できる電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)によって接続するAPを判断するようになります。
そのため、複数のAPより同様のSSIDが確認できる際は端末自身の現在の位置より一番強い電波が受信できるAPへ接続を試すようになります。
■多数のクライアントが1つのAPに集中してしまう原因
//周囲の他のAPの電波強度が強い場合、または接続を意図したAPの電波が弱い場合//
上記にも説明させていただきました通り、端末は受信できる
電波強度より接続するAPを選択するため、無線環境において、接続を意図していない周りのAPの電波が強い場合、
もしくは本来接続されるべきのAPの電波が弱い場合は、端末が意図したAPに接続されず、1つのAPに集中してしまう場合があります。
//CoverageのOverlappingエリアが正しく選定されていない場合//
ローミングは、最初接続されているAPから端末が物理的に移動を行い、
最初接続を行った電波信号が弱くなったタイミングで、他のAPへローミングが行われるようになります。
しかし、CoverageのOverlappingエリアが広い場合、
端末は移動を完了したものの、端末にて受信できる電波信号が、
ローミング判定となるdBmまで減少していないためローミングは行われず、既存のAPに接続したままとなります。
その結果、比較的に1つのAPの端末が集中されてしまう場合があります。
■多数のクライアントが1つのAPに集中してしまう際の有効な対策
//端末がAPに接続を行う場所にて、無線サーベイを行い、再度各APの電波強度を見直す//
APへの接続は端末にて受信できる電波強度により、
判断されるため、接続を意図したAPの電波強度を上げたり、
接続を意図していないAPの電波強度下げることで、改善される場合があります。
電波強度の設定は下記のページで設定可能です。
ワイヤレス >> 電波設定 >> ターゲット出力
[Manual Power]
https://documentation.meraki.com/MR/Radio_Settings/Transmit_Power_and_Antenna_Configuration#Manual_Power
//端末側のローミング設定を変更する//
端末側の設定でローミングの感度(Roaming Aggressiveness)を変更することで、
よりローミングがしやすくなり、結果的に1つのAPの集中する問題の改善できる可能性があります。
こちらの詳細については、以下のKBをご参照して頂ければと思います。
[クライアントのローミングおよび接続の決定に関する説明]
https://documentation.meraki.com/MR/Wi-Fi_Basics_and_Best_Practices/Client_roaming_and_connectivity_decisions_explained_jp
//APの物理的な移動、またはAPの増設を検討する//
端末が接続を試す場所にて、複数のAPの距離が近すぎる場合
どのAPの電波も強く受信するため、場合によっては特定のAPの偏ってしまう可能性があります。
また、端末がAPへ接続を試す際、逆に該当APが端末の位置から遠すぎる場合も同様に意図したAPに接続されないため、
APの物理的な移動や、増設、端末が接続を行う場所の変更等をご検討して頂ければと思います。
//クライアントバランシングを有効とする//
こちらの機能を有効にしていただくことで、クライアントが接続を試す際、
APの負荷状況により、ベストAPに接続が行われるように誘導することが可能です。
また、MR firmware 29.xx以降で、802.11vサポートする
端末の場合は、接続後もアクティブにこの機能が働くため、
より良いAPへ常に端末を優度するようになります。
クライアントバランシングは下記のページで設定可能です。
ワイヤレス >> 電波設定 >> 該当RFプロファイル選択 >> クライアントバランシング >> オン
[Client Balancing]
https://documentation.meraki.com/MR/Other_Topics/Client_Balancing