はじめに
MX では、任意の宛先に対して、ICMP のテスト結果に基づいた、Uplink Statistics(遅延、損失データ) を取得することが可能になります。
デフォルトでは、8.8.8.8 向けの宛先に対してのテストを行い、これらの統計情報の出力を行っております。
この機能を応用することで回線側の調査やMX に直接接続されたアップリンクの監視を行うために役立てることができます。
本記事では、こちらの機能の活用方法について記載しております。
Meraki では、直接接続されたアップリンクを監視するために、MX のデフォルト ゲートウェイをこちらのリストに含めることを推奨しております。
本機能における制限事項
制限事項
- VPN トンネル越しのプライベートアドレスを宛先にすることはできません。
- MX のWAN インターフェースから到達可能でなければなりません。
- 宛先デバイスがICMP トラフィックに応答しなければなりません。
- ホスト名/FQDN はサポートされていません。
ダッシュボードリンク
設定ページ
- セキュリティ&SD-WAN > SD-WAN & トラフィックシェーピング > アップリンクの統計

確認ページ
- セキュリティ&SD-WAN > アプライアンスステータス > アップリンク タブ > Merakiデバイスの履歴データ

デモンストレーション
前述の通りにMeraki では、直接接続されたアップリンクを監視するために、MX のデフォルト ゲートウェイをこちらのリストに含めることを推奨しております。
例えば、アップリンクに回線貸与のルーター が存在する場合、デフォルトの8.8.8.8 のみの監視の場合では、
回線側に問題があったのか、ネクストホップのルーター に問題があったのか判断がつかない場合があります。
このリストにデフォルトゲートウェイの宛先を含めることでこの判断における情報を得られる可能性が上がります。
デモでは、8.8.8.8 宛てとMX のデフォルトゲートウェイ宛てに対してテストを実施します。

以下の例では、8.8.8.8 宛ての統計では、100% のロスを報告しております。

一方で、この同じ時刻に、MX のデフォルト ゲートウェイ宛ての統計では、0% のロスを報告しております。

この結果から、アップリンクのルーターのWAN 側に問題が発生していた可能性があることが判断可能となります。
※デモでは、アップリンクのルーターのWAN インターフェースを切断して100% を再現しております。
また、MX のInternet ポートでパケットキャプチャの取得を行うことでこの通信を確認することができますが、
宛先に対しては1秒に1発のICMP が送信されていることが確認できます。

追加のリソース
SD-WAN and Traffic Shaping - Cisco Meraki Documentation
Meraki Auto VPN - Configuration and Troubleshooting - Cisco Meraki Documentation
Auto VPN機能におけるVPNトンネル確立のトラブルシューティングについて - The Meraki Community