こちらの記事では、ローミングの簡単な説明を踏まえ、機能の概要をまとめています。
記事を確認していただいた後、ダッシュボードのアシュアランスページからご確認ください。
📍ローミングとは
ワイヤレスローミングは、場所を移動してもネットワークへの接続を維持できる機能です。
デバイスは異なるワイヤレスネットワーク間を切り替えることができるため、長時間 に1 つの場所にいなくても接続を維持することができます。
クライアントは、現在接続しているアクセスポイントよりも別のAPがより良い信号を検出したときにローミングを決定します。
この動作は、特にノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどのモバイルデバイスで一般的な挙動です。クライアントはより強い信号を提供するAPに切り替えることで、安定した接続を維持しようとします。
📖 ローミングの種類
- 良好ローミング(Good Roams)
クライアントがスムーズに新しいAPに切り替わり、接続の中断や遅延がほとんど発生しない状態です。これによりユーザーはシームレスなネットワーク体験を得られます。
- 不良ローミング(Bad Roams)
ローミング時に接続の切断や遅延が発生し、音声通話の切断や動画の途切れなどのサービス障害を引き起こす状態です。
- 警告ローミング(Suboptimal Roams)
ローミングは成功するものの、最適なAPに切り替わっていないため、パフォーマンスが低下する可能性がある状態です。
⌚️ 不良ローミングの起こるタイミング
- クライアントが新しいAPに接続する際の認証や関連付けに時間がかかり、接続が一時的に切断される場合
- AP間の連携が不十分で、クライアントのセッション情報(VLANやポリシーなど)が正しく引き継がれない場合
- ローミングドメインの設計が不適切で、クライアントが物理的に近いが最適でないAPに接続してしまう場合
不良ローミングは、ユーザー体験に影響を与える可能性のあるローミング問題が発生していることを示します。
音声通話の切断や動画の途切れなどの問題が起きている可能性があるため、管理者は原因の特定と対策が必要となります。
📣ローミング可視化機能
「アシュアランス」→「ワイヤレス」の「追加指標」のセクション内の「ローミング」から確認が可能です。

ローミング内では、「ローミング全体」・「不良(ローミング)」・「警告(ローミング)」のタブがあり、ローミングの状態が確認できます。
「影響を受けたクライアント」の一覧もあるため、対象のクライアントページへもスムーズに移動が可能です。

「不良(ローミング)」・「警告(ローミング)」のタブをクリックすると、発生したローミング全体のうち、不良と警告ローミングの割合(パーセンテージ)を表示するチャートが表示されます。
表示される期間は、アシュアランスページで選択されている期間となります。

本機能を活用することで、どのAP間で悪いローミングが多発しているか、どのフロアやエリアで問題が集中しているかを特定できます。
また、ローミングドメインの設計やAPの配置を見直す際に、どのエリアでローミング問題が発生しているかを把握し、改善策を検討できます。
良好なローミングはユーザー体験を向上させますが、不良ローミングは接続の切断や遅延を引き起こすため、適切な監視と分析が重要となります。
機能を活用していただき、ローミングの問題を可視化し、迅速な障害対応とネットワークの最適化を推進していただければと思います。
📄参考ドキュメント: