Merakiダッシュボードに新たな「VRF」ページが「オーガナイゼーション」メニュー配下に追加されたことにお気付きでしょうか?
この新機能により、「オーガナイゼーション」全体でVRF(Virtual Routing and Forwarding)インスタンスを作成・管理できるようになりました。今回は、このVRF機能の概要と主な特長、活用シーンについてご紹介します。
VRF(Virtual Routing and Forwarding)とは?
VRFは、ネットワーク機器上で複数の仮想的なルーティングテーブルを作成し、ネットワークを論理的に分割できる機能です。これにより、同一のスイッチやルーター上で複数の独立したネットワークセグメントを運用でき、例えば社内業務用端末、IoT機器、決済端末などをレイヤ3(IPルーティング)で完全に分離することが可能です。

MerakiダッシュボードでのVRFの主な特長
- オーガナイゼーションワイドのVRF管理
- ダッシュボードから「オーガナイゼーション」内の対応デバイス(Catalyst 9000シリーズやMS390など)にVRFを一元作成・割り当て可能。
- 重複IPアドレスの利用が可能
- VRFごとに独立したルーティングテーブルを持つため、異なるセグメントで同じIPアドレス帯を使用しても競合しません。
- 強力なネットワーク分離
- VRF間は原則として通信不可。必要に応じてファイアウォール等で連携(ルートリーク)も柔軟に設定可能。
- MPLS不要でシンプル運用
- VRF Lite方式のため、MPLSや複雑なBGP設定なしで論理分割が実現します。
- 柔軟な拡張性
- OSPFなどの動的ルーティングもVRFごとに有効化でき、マルチテナントやネットワーク統合の際にも便利です。
主な活用シーン
- マルチテナント環境
- サービスプロバイダーや複数部門を持つ企業で、1台の物理スイッチで顧客/部門ごとにネットワークを分離。
- ゲストネットワークの分離
- 社内ネットワークと来客用Wi-Fiを同じスイッチで安全に分離。
- ネットワーク統合時のIP競合回避
- 異なるネットワークを統合する際、アドレス帯の重複があっても再設計不要。
- IoTや決済端末のセキュリティ強化
- 社内端末とIoT/決済系を物理分離せず論理的に隔離。
本機能は、IOS XE 17.18.1以降のCatalyst 9000シリーズやMS390、Cloud Managed Catalystスイッチにてご利用いただけます。
詳しくは Cisco Live での VRFプレビューをご覧ください!